今回のブログでは、油漏れしていた減速機を分解、点検、補修した事例をご紹介します。使用後にメンテナンスをせずそのまま保管していた為、ダスト、油分などの汚れが付着していました。
まずは現状を確認し、分解、点検、補修の順で作業しました。
減速機の分解、点検、補修の工程
受入時、現状確認
外観にダスト、油分が付着。長年使われなかったことが感じられる状態でした。
ギヤボックス内に油漏れ。
ギヤのバックラッシュを測定。
入力軸の芯振れも計測。
分解
計測、現状確認後、分解し各部品の状態も確認。
分解した部品を一つずつ点検、計測し、補修方法を検討しました。
ギヤ部品
ギヤ歯面には、サンダー等での修正痕あり。
内径にも叩かれ疵あり。
基準値よりも摩耗があった為、新規製作を提案。
ピニオン部品
ピニオン歯面にもサンダー等での修正痕と内径に叩かれ疵あり。
基準値よりも摩耗があった為、新規製作を提案。
軸箱(固定側)
軸箱の固定側の内径は摩耗が激しかった為、内径は溶射(13Cr)にて補修を提案。
オイルシールのあたりで、バリ、カエリなどが見受けられた為、補修実施。
軸箱(従動側)
軸箱の従動側は固定側よりも内径の摩耗が激しかった為、溶射での補修は困難と判断。代わりに、ブッシュ圧入して補修実施。
入力軸
入力軸の軸受け部とギヤ嵌め合い部が基準値から外れていた為、クロムめっきにて補修実施。
メインシャフト
メインシャフトは軸振れが基準値より大きかった為、溶射(13Cr)にて補修実施。
バリなどのカエリ部は手入れで処理、錆などはショットブラスト、塗装で処理。
分解点検報告書
ここまでの分解、点検内容を報告書にまとめて、お客様へ提出しました。補修方法をお客様と相談して決定し、各部品の補修を実施しました。
各部品の補修内容をご紹介します。
ギヤ新規製作と消耗部品の交換
軸箱(固定側)の補修実施後(溶射)
軸箱(従動側)の補修実施後(ブッシュ圧入)
入力軸の補修実施後(クロムめっき)
メインシャフトの補修実施後(溶射)
メインシャフトの手入れ後
組立前の部品一式
組立前の調整-スラストギャップの振れ
組立前の調整-ギヤバックラッシュの振れ
組立完了
補修完了した部品で減速機を組み立てました。その後、塗装を実施しました。
最後に、整備記録をお客様へ提出し、次回以降の整備時期などの参考にしていただくよう、ご提案しました。
千代田商事では、これまで様々な減速機補修を実施しました。減速機の補修メンテナンスでお困りの方は、どうぞお気軽に千代田商事へご相談ください。本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
減速機の補修事例のご紹介