パネル溶射補修(ORV設備)事例

発電所のORV(オープンラック式高圧気化器)のパネルを防食被膜溶射補修した事例をご紹介いたします。
ORVとは、水(海水)を熱源として低温の流体(LNG)を常温のガス体にする設備です。ORVの多くは、伝熱管を数多く並べたパネルタイプとなっています。伝熱管の中をLNGが通り、水(海水)を伝熱管に放水し、LNGを常温のガス体にします。

今回、ORVのパネルが、海水の影響などで摩耗・腐食・減肉したため、千代田商事へ補修のご相談がありました。私たちが心がけたことは、以下のポイントです。

  • 従来の業者よりもコストダウンを実現する
  • 補修方法をお客様へ明示して、内容・手順を丁寧にご説明する

従来、別業者による補修時には、補修内容が不明確だったそうです。そのため、溶射の膜厚の検討や溶射材料の選定について、千代田商事からお客様へ丁寧にご説明をさせていただきながら、コストダウンを実現できるようなご提案をさせていただきました。


まずはじめに、従来の補修内容と補修材料の把握に取り掛かりました。
現場確認を繰り返して仕様不明な部分の洗い出しを実施。確認できた仕様に沿って、新たな補修方法を確立しお客様へ説明いたしました。
さらに、コストダウンにつながる方法もご提案し、補修方法が確定した後、現地にて工事を開始いたしました。

それでは、ORVのパネル溶射補修を詳しくご紹介いたします。

パネルの清浄度検査
母材に塩分が残っていると、溶射の出来栄えに影響が出ます。そのため、事前にパネルの清浄度検査を実施しておく必要があります。
清浄度検査にて、塩素イオン濃度を測定し、母材の塩分有無を確認しました。
海水の影響を受けて摩耗・腐食が進行
ブラスト処理で旧溶射被膜除去
ブラスト処理で旧溶射皮膜を除去しました。その後、目視にて溶射皮膜の残状況を確認。
ブラスト処理による損傷の有無を確認するために、外径・肉厚測定を実施。既定値内で損傷がないと確認できました。
溶射処理
続いて、パネル表面に溶射処理をしました。
同時試験片の作成と溶射前の表面粗さ測定し、溶射補修の品質管理も徹底いたしました。
手動・ガスフレーム溶射
試験片作成
溶射前の表面粗さ測定
膜厚測定を実施
溶射後、処理した箇所の膜圧を測定しました。規定値の範囲内に収まっていることが確認できました。
封孔処理
エアレススプレー吹付で封孔処理を実施。処理後のムラ・漏れ・欠陥がないことを確認いたしました。
立会検査・工事完了
すべての工事が完了したため、お客様立会いのもと検査を行いました。
すべての検査に合格、お客様のご要望にお応えすることができました。
ORVのパネル溶射補修の事例をご紹介いたしました。
今回のように現地での工事にも対応可能です。設備の補修やメンテナンスでお困りの方は、どうぞお気軽に千代田商事へご相談ください。