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今日のブログは「鉄めっきを利用した部材の補修・修復方法」について、他手法との比較やメリット、事例などをご紹介します。
他手法との比較
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鉄めっき |
溶接 |
溶射 |
鉄めっきの特徴 |
母材影響度 |
◎ |
× |
△ |
最高処理温度80℃ |
熱歪み |
◎ |
× |
△ |
母材への影響なし |
熱亀裂 |
◎ |
× |
△ |
母材への影響なし |
防錆効果 |
◎ |
× |
× |
母材を完全保護(低気孔率) |
切削性 |
◎ |
× |
△ |
Hv140~150(ショアHs20前後) |
密着度 |
○ |
◎ |
△ |
12kg/mm2以上 |
費用 |
△ |
× |
○ |
施工面が大きくなるほど単価減少 |
工期 |
× |
○ |
△ |
析出速度300μ~500μ/日 |
鉄めっきを採用する最大のメリットは、繰り返しの補修・修復が可能なことです。
上記の図にあるように、最高処理温度が低め(100℃以下)で母材影響度が少ないことが理由で、同じ部材・母材を何度も補修・修復できます。
一方で、他手法(溶接・溶射)と比較すると、1回あたりのコストが高く納期も長めです。
次は、鉄めっきと溶接のコストを比較していきます。
【図】鉄めっきと溶接による補修(修復)のコスト差
1回あたりのコストが高く納期が長い鉄めっき。ただし、長期的に見れば溶接よりもコストを削減できます。
・初期新品購入費用:2000万円
・溶接 200万円/回(補修・修復の上限回数3回)
・鉄めっき 300万円/回(補修・修復の上限回数なし)
※両手法ともに、3年毎の補修・修復をした場合を想定
※溶接を3回実施した場合、4回目のタイミングでは新品購入が必要と想定
3回までという上限がある溶接と比較すると、鉄めっきによる 補修・修復を採用することで新品購入する必要がなくなり、長期的にコストを削減することが可能です。
軸受箱(チョック)の摩耗した内径の補修・修復に鉄めっきの事例
・大型部材は、新品製作にかかるコストが大きい
・溶接を採用すると、熱負荷の大きさから部材・母材の寿命が縮まる
このような背景から、チョック(軸受箱)の補修・修復には、鉄めっきをお勧めします。鉄めっきによる補修・修復の施工事例は以下の流れです。
受け入れ時の部材・母材
前加工 実施後
鉄めっき 補修・修復後
仕上げ 完成
鉄めっき補修・修復は、繰り返し施工ができます。施工温度が100℃以下と溶接や溶射に比べて低く、母材への影響度が低いのがその理由です。また、めっき厚を確保でき、多少の摩耗でも補修・修復が可能です。
長期的に見ればコスト削減にも貢献する鉄めっきの補修・修復。チョック(軸受箱)などの補修や修復でお困りの方は、ぜひご検討ください。
※次回のブログでは、鉄めっきによる補修・修復事例"ジャーナルヘッド"編をご紹介します。