今回のブログでは、ポンプのオーバーホールと一緒に消耗部品の交換・コーティング・溶射補修なども同時施工した「ポンプの複合補修」の事例をご紹介します。
ポンプオーバーホール時に分解点検をしたところ、消耗部品や内部構造の劣化が激しく、消耗部品交換、溶接補修などが必要でした。また、ポンプの長寿命化を目的にコーティングも合わせてご提案しました。
ポンプの複合補修の工程紹介
分解・点検
ポンプを分解・点検したところ、内部に激しい摩耗・腐食を発見し、消耗部品を交換するだけでは復旧できない事が判明しました。
シャフト全体が摩耗・腐食。新規製作が必要
インペラーの両サイド面が共に偏摩耗。(約5mm~10mm)
サイドカバーも激しく腐食。このままブラスト処理した場合、欠陥してしまう恐れがあった。
内部も激しく腐食。補修方法の検討が必要でした。
消耗部品を新規制作
損傷が激しかった消耗部品をスケッチで図面化し、新規製作しました。
軸受ケース 1個
ランタンリング 2個
水切りリング 2個
スリーブ 2個
コーティング補修
インペラーの両サイド面が偏摩耗していた箇所をコーティング成形で補修しました。
ブラスト処理で錆びや汚れなどを除去。合わせて、偏摩耗以外に異常がないかを確認しました。
特殊なコーティングで両側の偏摩耗分を復元しました。
コーティング箇所の整形及び機械加工で仕上げしました。
溶接補修
サイドカバーをブラスト処理したところ、内部腐食箇所・破孔部を発見しました。
素材が鋳物だったので、低温溶接で補修しました。
一般的には、ブラスト処理をしなければ破孔ができる事なくそのまま使用可能です。ただ、そのままの状態(内部まで腐食が進行した状態)で使用し続けると、破孔ができる可能性があるため、ブラスト処理で不具合箇所を特定して補修しました。
劣化予防のコーティング
今後の予防保全を目的に、内部に耐腐食コーティングを実施しました。分解点検時の腐食具合が激しかったため、長寿命化を目的にした処理が必要と判断して、お客様にご提案しました。使用可能期間を伸ばし、長期的なコストダウンを実現できます。
塗装・組立・完成
最後に塗装、組立して完成です。お客様へ納品しました。
今回のような様々な補修が必要な場合でも、スピーディーに一貫して対応可能です。
ポンプの補修時でお困りごとがございましたら、千代田商事へお気軽にご相談ください。
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